「おかしいと思います」と言える組織風土づくり

  

今日は、企業の不祥事と普段の上司の言動との関係について自分の小さな体験も含めて話してみたいと思います。

 

大きな組織になると一般社員が何をやっているか、どういう価値観で仕事をしているか、上司は部下にどのような指導をしているか、などは経営トップには見えません。

 

「こういう問題が起きています」と報告されないとわかりません。

 

しかし、自社製品で重大事故などが起きると経営トップの管理責任が問われます。

 

「報告を受けていませんでした。知りませんでした」という言い分は通用しません。

 

企業の不祥事を報道等で知る度に、経営トップには事実が伝わっていたのか、伝わっていたのに適正な判断を下さなかったのか、といろいろ想像します。

 

下から「問題です」という情報が上がってこなかったために対処できなかったという事だとすると、普段の社内でやり取りされる情報の質や流れ方に問題がありそうです。

 

私は、組織の風土や体質の変革の支援を通して上司と部下とのやり取り、上司の言動、を見聞きする機会が多くあります。

 

●悪い報告をするとイライラして怒る上司

 

●まずは一報入れておこうと考えて報告すると細かく聞かれ最後は「ちゃんと調べて報告しろ」と叱る上司

 

普段は「なんでもすぐに言ってきてくれ」と言っている上司から上記のような態度を見せられると次からはよほどのことがない限り報告しなくなります。

 

特に悪い情報は・・・。

 

私が工場部門の総務部部長だった時のことです。

 

工場内に焼却炉があり、その焼却炉施設も私の管理下にありました。

 

その焼却炉では決められたものを燃やしているか、焼却炉が正常に稼働しているかを示すために、市に対して定期的に焼却した時にでる灰を採取して提出する決まりがありました。

 

ある時、他のF工場の焼却炉を担当している方から「あなたの部下のAさんが、ウチの工場の焼却炉から採取した灰をくださいと言ってきた。問題ではないか」と連絡を受けました。

 

私の部下のAさんが、F工場の最新型の焼却炉から採取した灰を自工場の焼却炉で採取した灰と偽って市に提出しようとしたようでした。

 

明らかに違反行為です。

 

すぐに対応したために違法なことにはなりませんでしたが、驚きました。

 

そのAさんは、焼却炉の運転状況が安定していなかったので、その灰から焼却炉の異常を市から指摘され、焼却炉停止の命令がくだされると考えて、運転状態の良い焼却炉の灰を提出しようとしたのです。

 

そのAさんにとっては、焼却炉を止めないことを優先したつもりだと言うことですが、冷静に考えればおかしいことです。

 

なぜ、F工場の人が、私に「あなたの部下のAさんが、市に提出する灰をウチの工場の焼却炉から採取した灰をくださいと言ってきた、おかしいのでは」と連絡をしてくれたのか。

 

私は総務部長に着任したときから「絶対に不正は許さない。最悪、工場の稼働を止めることがあっても、ごまかすようなことはしないように!」と言い続けてきました。

 

それが他工場にも伝わっていて、手塚に言えば不正なことを停めてくれると思ったのではないかと思います。

 

「不正は絶対に許さない。最悪、工場の稼働を止めることがあっても、ごまかすな!」と言い続けたことが、良かったのではないかと思います。

 

周囲からは青臭いことを言っていると思われていたようですが・・・。

 

経営トップや上司は、普段から「不正は絶対に許さない。最悪、会社(工場)の稼働を止めることがあっても、ごまかすな!」と言い続けることがいざという時に不正を未然に防ぐことになるのではないかと思います。

 

経営トップや上司は、何を大事にして仕事をするか、どういう責任を果たすかということを常に言い続け、同時に行動で示す必要があると思います。

 

そして、「おかしいと思います」と言える組織風土づくりが大切です。