企業倫理・CSR問題と風土体質の問題

  

先日、企業倫理・CSRについて実践研究・普及活動をしている方と情報交換をさせていただきました。

 

情報交換をさせていただいて、あらためて、企業の不祥事問題と企業風土問題の関係性を認識しました。

 

また、起きてしまった不祥事問題の再発防止において、仕組みや制度は作るが、風土問題までの掘り下げが少ないのではないかという意見で一致しました。

 

これまでの風土改革支援でやってきたことは、見方を変えると不祥事を起こさないための予防対策であったとも言えます。

 

工場の災害や事故を起こさないための安全活動に関わっている人ならだれでも知っている「ハインリッヒの法則」という法則があります。

 

1件の重大な事故・災害が起きる背景には29件の軽微な事故・災害がある。更にその背景には、300件のヒヤリとしたこと、ハッとしたことが隠れている。その300件のヒヤリやハッとしたことを見逃していると、いつか、重大な事故や災害が起きるという考え方です。

 

組織風土に問題がある職場で目にするのは、いろいろなウソ行動がまかり通っている、また、ウソの行動するように強いられているマネジメント体制です。

 

軽微なウソの例は、QCサークルの発表会や改善発表会に見られます。発表を控えて何度練習し、上司等のアドバイスなどを受けているうちに、最初は「改善の効果を確認中」だったのが、何度も見直している内に、「効果は確認中」では発表に説得力がないからということで、発表の本番では「効果がでました」という内容になってしまう。

 

少し罪が深いウソの例は、

 

工場の在庫削減が思うように進まないために、経営トップに在庫削減が進んでいない状況がばれるとまずいということで、トップが工場に来るとわかると在庫を隠してしまう。

 

工場の人員削減が進まないために、トップによる改善進捗診断の時は、少ない社員数で生産しているところを見せ、診断が終わった後は元の社員数に戻す。

 

工場の管理指標で、いつまでたっても合格レベルまで改善が進まないので、管理基準値を甘い方向に変えてしまう。

 

こういう悲しいウソ行動は、一般社員が率先してやるはずがなく、そういうウソの行動を取らなければならないところに追い込む風土があるということです。

 

上記のようなウソを見逃していると、いつか大きな重大なウソ行動が外部に出てしまうのだと思います。

 

事実、風土改革に取り組んでいる工場で、工場内の焼却炉の運転状況を示すデータを市に提出するデータの捏造を未然に防ぐことができました。

 

また、工場からの排水の濃度を基準値に入れるために真水で薄めてから流そうとする行為を未然に防ぐことができました。

 

このように、不祥事を未然に防ぐために、教育研修も大事ですが、「ヒヤリ・ハット」の段階からウソ行動を抑制するような風土に変えることが重要と考えます。